負動産にしない!空き家・未登記建物のリスクと相続対策の第一歩
最近、空き家問題が社会問題となっていますが、その背景に「未登記の建物」が増加していることも見過ごせません。
特に相続が発生したご家庭では、空き家や未登記建物が「思わぬリスク」となり、誤ってトラブルを抱えることも。
この記事では、空き家・未登記建物がもたらすリスクと、その回避策、さらに土地家屋調査士ができるサポートについて分かりやすく解説します。
1.空き家・未登記建物とは?
1-1.「空き家」の定義
統計調査などで用いられる一般的な定義として、「現在、居住者がおらず、今後も長期間にわたって居住予定のない住宅」とされています。
一時的な不在(例えば、入院や出張など)の場合は空き家とは見なされません。
1-2.「未登記建物」とは?
未登記建物とは、不動産登記簿に所有者や権利に関する情報が登記されていない不動産のことを言います。
2. 空き家・未登記建物が抱えるリスク
2-1. 空き家が抱えるリスク
①建物の老朽化の進行
適切な維持管理がなされない場合、建物は経年とともに老朽化が進行し、構造的な強度が低下するため、地震や強風などの自然災害によって倒壊や破損といった深刻な事態を招く危険性があります。
②近隣住民とのトラブル
老朽化や衛生問題などが原因で、近隣住民との間でトラブルが生じることがあります。
この他にも空き家にすることのリスクは多岐にわたります。
2-2. 未登記建物が抱えるリスク
①売買・担保設定の困難性
所有者が明確でないため、売却や担保に入れることが難しくなります。
②相続手続きの煩雑化
相続が発生した際に、誰が相続人であるかを確定する手続きが複雑になります。
③登記費用の増大
長期間放置すると、権利関係が複雑になり、登記に必要な費用が増加する可能性があります。
④遺産分割協議の複雑化
相続人間で誰が所有者であるかの認識が異なり、遺産分割協議が難航することがあります。
この他にも未登記であることのリスクは多岐にわたります。
3. 未登記建物を相続した場合に起こりうるトラブル事例
3-1. 登記がないために売却や担保設定ができない
登記がない建物は、権利関係が不明確であり、担保としての価値を認められないため、売却や担保設定が非常に難しくなります。
不動産取引においては、登記が非常に重要な役割を果たしているのです。
3-2. 相続手続きがスムーズにいかない
未登記建物を相続した場合、まず建物の存在を公的に示す「建物表題登記」が必須となり、通常の相続登記よりも手間と費用が増加します。
また、登記簿に記載がないため、遺産分割協議において建物の認識のずれや評価の難しさから相続人の間で紛争が生じやすくなります。
これらの理由から、未登記建物の相続手続きは煩雑になるため、早期に土地家屋調査士へ建物表題登記のご相談をいただくことをお勧めします。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 建物表題登記にはどれくらいの費用と期間がかかりますか?
A. 費用は、建物の種類、構造、規模、図面の有無などによって大きく異なります。
一般的には、測量費用や図面作成費用、申請費用などが含まれます。期間も同様で、スムーズに進めば数週間~かかる場合があります。
正確な費用と期間については、土地家屋調査士に見積もりを依頼することをおすすめします。
Q. 空き家を相続しましたが、登記はされています。それでも土地家屋調査士に相談するメリットはありますか?
A. はい、あります。登記済みの空き家でも、以下のような点で土地家屋調査士がお役に立てます。
- 境界の確認:隣地との境界が不明確な場合、将来的なトラブルを避けるために境界確定測量を行うこと
- 現況測量:建物の正確な面積や配置を確認し、売却やリフォームなどの計画に役立てること
- アドバイス:空き家の維持管理、活用方法、売却に関するアドバイスを受けること
Q.遠方に住んでおり、相続した空き家(未登記の可能性あり)の手続きをどのように進めれば良いでしょうか?
A.まずは、電話やオンラインで土地家屋調査士に相談してみることをお勧めします。
BASE ONEは遠隔での相談にも対応しております。状況を説明し、必要な書類や手続きの流れについて確認しましょう。
その後、必要に応じて現地調査を依頼することになりますが、最初の段階では郵送やオンラインでのやり取りで済むこともあります。
5. まとめ
空き家や未登記建物を放置すると、思わぬリスクや相続トラブルにつながる可能性があります。
「いつかやろう」と後回しにするのではなく、早めの対策が大切です。
土地家屋調査士に相談することで、現状の確認から登記手続きまで専門的なサポートを受けることができ、安心して次の一歩を踏み出すことができます。大切な不動産を「負動産」にしないために、今できることから始めましょう。
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